「自分は何をやりたいのか」、「何ができるのか」が見えてきたら次は自分の立ち位置「ポジショニング」を確立させましょう。
ポジショニングとは「無競争状態で顧客に選ばれる独自の場所を見つける事」と定義付けられます。
あなたの提供するサービスが他と比べて圧倒的に輝く場所があなたのビジネスにおけるポジションなのです。
この場所で勝負するあなたは間違いなく勝ち続けることができます。
ビジネスを進めていくには「ポジショニングの確立」が重要なポイントになってきます。
ここでは「ポジショニングの確立」の仕方、重要性を具体例を交えて解説してまいります。
ポジショニングを考えるポイント
ポジショニングを考えるうえで大切なポイントを解説します。
①一点集中
これは見込客から認知される領域を一点に絞るという事です。
つまり「私は〇〇の専門家、専門サービスを行っています」とお客様に広く理解されることです。
大手企業と違い、これから独立開業する皆さんはやみくもに「あれもできる、これもできる」と言ったところで
そのような仕事は予算と人材をかけられる大手企業に持っていかれます。
特にWebを使った集客をする場合はこの傾向は顕著に現れます。
あなただけの「オンリーワン」を持っている方がお客さまからは選ばれやすいのです。
②No.1
この場合のNo.1は自分で作り出すNo.1で構いません。
〇〇地区でNo.1とか〇〇線沿線でNo.1,〇〇商品の販売No.1とか、ニッチな範囲でも良いのでNo.1を見つけ出して自分でNo.1を名乗りましょう。
人はNo.1の人の商品、サービスを購入したいという欲求があるからです。
「人はNo.1に弱い」この心理を利用しない手はありません。
③一番乗り
この場合の一番乗りとは「この領域はあの人」と認知される事です。
自分が扱う商品、サービスを細分化していって、他の人がまだ足を踏み入れていない領域を探し出し、そこから情報発信し続けるのです。
例えば自身のブログやHPなどで「私は〇〇地区で唯一の〇〇に特化したサービスを展開する〇〇です」と言った具合にです。
情報発信し続けると、やがて「あのサービスは〇〇さんに頼もう」と否が応でも仕事の依頼が転がり込んでくるというようになっていきます。
誰も踏み入れていない領域を探し出すことが「一番乗り」なのです。
事業コンセプトからポジショニングの軸を作る
ポジショニングの考え方のポイントを理解したら、実際にポジショニングの軸を作っていきましょう。
ポジショニングの軸を作るうえで押さえておきたいポイントは「事業コンセプト」です。
事業コンセプトを定義づけると①誰に②何を③どのようにして提供していくかを明確にしたうえで、その事業をどう動かしていくかを「具体的な言葉で表した方針」となります。
この事業コンセプト中で強い要素をポジショニングの軸に据えるのです。
強い要素はイコール「選ばれる要素」とも置き換えられます。
あなたがお客様の立場になって同業他社と比較してどういう立ち位置であるなら選ばれるか?を常に意識して軸を選定してください。
その際、下図のようなポジショニングマップを参照してポジショニングの軸を決めていって下さい。
右上が自社になるようなポジショニングにしていきましょう。
ポジショニングの成功事例
ポジショニング戦略の成功事例をご紹介致します。
①ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)
2001年3月に華々しく開業したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、日本では、今までになかった「映画のテーマパーク」(ET、ジュラシックパーク、バックトゥーザ・ヒューチャー、ターミネーターなど)として話題を呼び、1年目の来場者数は1000万人を突破しました。
しかし、その後、来場者数は右肩下がりに減少し続け、800万人前後に落ち込み、2004年には事実上、一度、経営破綻していました。
その後、映画以外の要素もテーマパーク(ハローキティ、スヌーピーなど)を取り入れたりするものの、来場者数は変わることはなく、2010年には、700万人前後に落ち込みました。
そんなユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、2010年6月にP&Gからヘッドハンティングされた現執行役員の森岡毅さんが入社し、様々な改革を行ったことで劇的な回復を遂げました。
森岡さんが行った改革の一つに「ポジショニング戦略」があります。
森岡さんはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を「映画のテーマパーク」から「世界最高のエンターテイメントを届けるテーマパーク」へとポジションを移しました。
その結果、生存競争が激しいエンターテイメント業界の中で、たった5年で来場者数を約2倍にするという見事な復活劇を遂げることができました。
森岡さんは徹底したリサーチをすることによって「映画のテーマパーク」というポジションの限界を確信しました。
当時のアトラクションは、世界最先端のアトラクションを持つアメリカのユニバーサル・スタジオから完全に輸入していて、品質も最高レベルでしたが、来場者のデータを見てみると圧倒的に小さい子供を連れたファミリー層が多かったのです。
「世界最高のエンターテーメントを届けるテーマパーク」にポジション変更したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は
2015年の来場者数は1390万人へと上昇し、年間では東京ディズニーシーを抜くほどの快進撃を見せるなどめざましい躍進を遂げるに至っています。
②ハウステンボス
ハウステンボスは1992年に「オランダ村」というポジションのテーマパークとしてオープンしました。
ピーク時には年間来場者数は300万人を超えていましたが、ついに150万人を下回るまで落ちてしまい、2003年には一旦倒産します。
このような状況のハウステンボスを変えたのは新たに社長に就任したHISの創業者の澤田秀雄さんの「ポジショニング戦略」です。
今までの「オランダ村」というポジションから「楽しいテーマパーク」へとポジショニングを変更しました。
その結果、生まれたのが全国イルミネーションランキング4年連続1位の「光の王国」です。
現在ではハウステンボスの年間入場は400万人を超えるまでに至っています。
こちらも「ポジショニング戦略」が見事にはまった事例と言えます。
まとめ
ポジショニングの重要性について述べてまいりましたがいかがだったでしょうか?
しっかりとしたポジショニングを確立することはビジネスを成功に導くための大きな肝になります。
じっくり時間をかけてリサーチにリサーチを重ねて自分のビジネスが輝くポジショニングを確立しましょう。