こんな人は創業融資が借りられない、7つのパターン

融資コンサルタント協会のSP融資コンサルタントには、創業融資を借りたいと望む創業希望者が数多く相談に来られます。

その中には「この人なら満額借りる事ができるだろうな」と思える方もいれば、

「この人は借りるのは難しいだろうな」と思える創業希望者も少なからずいます。

SP融資コンサルタントに相談に来られた場合は、その融資が断られそうな理由と、そうならないように準備しておくべきこと等についてアドバイスすることができます。

しかし多くの創業希望者は誰にも相談せずに融資を申し込み、たいてい断られてしまうのです。

①自己資金が少ない人

自己資金が少ないと、金融機関は「準備不足」とみなします。

創業するために資金が必要なのはあらかじめわかっている事ですから、自己資金額が少ないと、「思い付きで創業しているのではないか?」と思われてしまい、どうしても審査が厳しくなります。

自己資金の多さは、その人の「創業に対する熱意」。

用意している資金が多ければ多いほど、「本気度合い」が伝わって審査によい影響を与えます。

では、どれだけの自己資金を準備しておくべきか?

創業者の多くが利用する日本政策金融公庫の「新創業融資」では、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要」となっています。

「100万円の自己資金があれば900万円の融資申し込みができますよ」という意味です。

ただし、これは単に「申し込みができる」ということであって、「貸してくれる」ということではありません。

実際に100万円の自己資金で「900万円貸してください」と申し込んだ、ある飲食店開業希望者は、「自己資金が少ないので、融資できません」と、日本政策金融公庫の担当者に断られました。

「申請上の自己資金必要額と、審査場の自己資金必要額は違う」ということは知っておく必要はあります。

では、自己資金はいくら準備すればよいのでしょう?

創業融資を借りるために必要とされる自己資金は、3割程度は準備しておいた方が良いでしょう。

日本政策金融公庫の何人かの担当者からヒアリングした結果、ほぼ全員が「3割くらいは準備して欲しい」と答えます。

たしかに、融資の審査をする際に見るのは自己資金だけではありません。

それ以外の部分でカバーできると判断された場合は、3割少なくても借りられることがあります。

また、自己資金が多いと借りられる金額も増えますので、自己資金がまだたまっていない場合は急がずに、

貯めてから独立するという気持ちでいた方が創業の成功につながります。

②創業考えている事業の経験が乏しい人

通常、金融機関が融資する際に一番参考にするのは「実績」です。

しかし、創業者には実績がありません。

これから、その事業を行うのですから実績はありませんよね。

そこで実績代わりに見るのが、「その事業における経験」です。

よくあるのが、「以前から夢だった、おしゃれなカフェをするために創業したいのです」という、まったく飲食業の経験がない人物がカフェを開業したいという相談例。

こういうケースはとくに、日本政策金融公庫に創業融資を申し込んだ場合、NGになりがちです。

いくら昔から夢見ていたとしても、飲食業の経験はなければ失敗する確率が高いからです。

また、日本政策金融公庫が2016年12月に発表した「新規開業パネル調査」によると、2011年に開業した企業のうち、2015年の時点での廃業率は10.2%です。

そのうち飲食業の廃業率は18.9%と一番高かったのです。飲食業は、接客、製造(調理)、仕入、在庫管理など、多くのノウハウが必要な業種です。

そういったノウハウを知っている経験者でさえも失敗する確率が高い業種なのです。

一説によると、脱サラ・未経験者による飲食店が3年以内につぶれる割合は90%とも言われています。

日本政策金融公庫には融資先に対する莫大なデータがあるので、「経験のない業種に参入する創業者は失敗しやすい」ということがわかっています。

だから、創業を考えている事業が乏しい人には、融資してもらえる確率はとても低くなるのです。

では、どれぐらいの経験があれば融資してもらえるか。前にも書きました様に、だいたい3年以上の経験は積んでおいた方が良いと思われます。

さらに具体的に言うと、店長経験をしていると融資に有利に働くということになります。

店長経験をしていると融資に有利に働くということになります。

店長ともなれば、そのお店における利益管理についての経験をしています。

利益管理の経験をすることで、経営者になったときの資金繰り管理にとても活きてきます。

また責任者ともなれば、その店舗における売り上げについても責任を持つ立場になりますので、売上をあげるためのアイデアも数多く考えるという経験もしているでしょう。

さらに、人を雇う・使う経験も貴重です。

このように店長をしていれば、経営者として必要とされる経験を積むことができていると金融機関には判断してもらえます。

「思い立ったが吉日」とは言いますが、こと創業に関しては、必要な経験を身につけてから行動に移した方がお金は借りやすいと考えておきましょう。

③いいかげんな事業計画書を書いている人

創業融資を借りる際、金融機関はかならず所定の様式の「借入申込書」や「事業計画書」「創業計画書」「企業概要書」等を提出させます。

かなり多くの事を書き込まなければならないようになっているため、そのようなことをしたことがない人にとっては、とても面倒くさい作業になります。

その結果、とくに「事業計画書」などは、いい加減な内容のものを提出する人が少なくありません。

創業者が思い描いた事業を、いかに実現していくのかを書いたのが事業計画書です。

すなわち、事業計画書は、自身の事業を成功させるための設計図です。

この事業計画書を見て、金融機関は、その事業が成功しそうかそうでないかの判断をします。

例えば、日本政策金融公庫の創業計画書には、「創業の動機」、「経営者の略歴等」、「取扱商品・サービス」、「取引先・取引関係等」、「従業員」、「借入の状況」、「必要な資金とその調達方法」、「事業の見通し」、「自由記述欄」といったことを書く項目があります。

面倒くさいからといってこれらの内容をいい加減に書いてしまうと、金融機関としてはその事業が成功するかどうか判断できません。

金融機関は、成功するかどうか判断できない事業に対して融資することは決してありません。

また、いい加減な事業計画書を書いた人に対して、「この人はいい加減な人だ」と判断すると、やはり融資するべき人ではないと判断してしまいます。

事業計画書の出来の善し悪しで融資の可能性は大きく変わってしまいますので、事業計画書は真剣に書きましょう。

自分一人で書けない場合は、詳しい専門家に手伝ってもらえばいいのです。

ただし、その専門家に自分の代わりに書いてもらうのはNGです。お気を付けください。

④金利の高い資金を借りている人

創業融資を申し込む際、金融機関は申込者に対して、「信用調査に関する同意書」もしくは「個人情報の取り扱いに関する同意書」を求めます。

これは、「あなたの個人情報を、個人信用情報登録機関に問い合せしますので同意してくださいね」という書類です。

金融機関が融資審査をする際、初めての取引の場合はかならず「個人信用情報照会」を個人信用情報登録機関に対して行います。

信用情報とは、融資やクレジット、ローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です。

この個人信用情報を見ると、申込者が、どこから、どれだけのお金をかりているのか、クレジットをどれだけ利用しているのかがわかります。

消費者金融やクレジットローン、カードローンを借りている額が大きければ、それだけで金融機関は融資を断ることができる理由になります。

消費者金融やクレジットローン、カードローンの金利は高いため、そのような高い金利でお金を多額に借りている場合は、将来的に返済するのが難しいと判断するからです。

このように、高い金利で資金を借りている人は、融資を断られる確率が高くなります。

⑤返済遅延や延滞が多い人

「個人信用情報照会」では、「今、どれくらい借りているのか」というのがわかると同時に、「過去にきちんと返済していたのか」ということもわかります。

過去に返済遅延があった場合、「クレジットブラック」といって、その情報が一定期間登録されます。

「借りていたお金をきちんと返済していない」といって、その情報が一定期間登録されます。

「借りていたお金をきちんと返済していない」という悪い実績があった場合、「この人は、また返済遅延をするのではないか」と思われてしまいますので、クレジットブラックの場合も融資を断られることがよくあります。

たとえば最近は、スマホ購入の際、分割払いにすることが多いものです。

これも「割賦販売」になりますので個人信用情報に登録され、もし延滞があれば、クレジットブラックになります。

また、金融機関が創業融資を行う場合、「6か月分の通帳コピー」や、「3カ月程度の水道光熱費の返済がわかる資料」の提出を求めます。

それらの中身を見て、家賃の返済や水道光熱費の延滞が頻繁にあった場合は、「お金にいいかげんな人」と見られてしまいます。

金融機関としては、「お金にいい加減な人」には当然融資しませんので、日頃から支払期日はきちんと守っておくことをお勧めします。

⑥自己資金を見せ金にしている人

創業融資の場合、自己資金が多ければ多いほど、借りられる金額が大きくなることが多いものです。

そこで少しでも多く借りたいと考えている場合、どこから調達してきて自己資金として見せようとする方がいらっしゃいます。

でも、これはほとんどの場合、まずバレます。

いきなり、1カ月前に通帳に500万円の振込があり、「この通り、自己資金500万円あります」と申込者が言ってきたとします。

金融機関担当者としてはまず、「その500万円をどう貯めたのか?」について聞きます。

それだけでなく、その500万円を貯めていた記録(通帳のコピー、定期預金の計算書等)を求めます。

それが提出できないと、そのお金は「見せ金」とみなされ、自己資金とは認めてもらえません。

それだけでなく、「目的のためなら、人をだましたり欺いたりする人」と判断され、その金融機関のブラックリストに載ることもあります。

そうなれば、その時だけでなく、未来永劫借りられないようになってしまいます。

金融機関の担当者は徹底的に調べますから、見せ金は99%の確率でバレると思っておいてください。

⑦税金の未納・滞納がある人

税金には「先取特権」があり、税金を滞納していると預金を差し押さえられたりします。

税金の滞納がある場合は、せっかく融資したのにもかかわらず、それを差し押さえられることがあり得ます。

事業に使うお金を貸したはずなのに税金の支払いに充てられてしまうと、申込者が行おうと思っている事業ができなくなり、

その結果、返済不能に陥ることが予想できます。

そこで金融機関は絶対と言っていいほど、税金を未納・滞納している人に融資をしません。まず未納・滞納している税金を支払ってから金融機関に話を持っていかないと、門前払いされてしまいます。

税金の未納・滞納は全体にやめましょう。

 

 

 

 

 

 

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