捨てないパン屋は手抜きから誕生!その6つの秘密を公開

bakery

こんにちは。
捨てないパン屋さんが広島市にあるのをご存知でしょうか。

そのパン屋さんの名前は「ブーランジェリー・ドリアン」といいます。
店主の田村陽至さんは祖父の代から続くこの店を2004年に継承して
現在に至っています。

田村さんが店を継いでからしばらくは
3人の職人と販売スタッフたちがフル回転してレストランへの配達もこなし
田村さんは夜10時から翌日夕方まで、寝ずにパンを焼いていて
仕事が終われば食事だけして数時間眠る……。
そんな日々が続いたそうです。

当然当時は、売れ残ったパンは残らず捨てていました。
店は労力の割には利益が出なくて苦しい日々が続き
心身共に、疲弊したいたそうです。

そんな時、とった行動は……。

店を休業してヨーロッパへ

2012年に田村さんは店を休業して
奥さんとともにヨーロッパのパン店を修行して回る旅に出ました。
その時にウィーンで出会った「グラッガー」という店に
大きな衝撃を受けたのです。

どんな衝撃かというと
職人たちが働くのは午前中だけ。昼時になるとみんな帰っていくということ。
当時のことを田村さんはこう語っています。

「日本では一次発酵、二次発酵をじっと待ちながら見極めるんだけど
グラッガーでは生地を冷蔵庫に入れてさっさと帰る。生地を切るのも機械任せ。
細かいこだわりは全部切り捨てて、もう手抜きでやってるんです。
具材もほとんどなくて、ゴマがついている程度」

もっと驚いたことに、そのパンは日本のパンに比べて段違いに美味しかったということ。

bread

なぜ美味しいのか?

なぜ手抜きのパンは美味しかったのでしょうか。

それは

「材料は入手できるベストのものを使うのがルールなんだ」

と「グラッガー」に教えられたそうです。

材料には徹底的にこだわった結果が格段にうまいパンなのです。

日本では、手をかければかけるほど良いパンが焼けるのが常識でした。
当然、手をかけた分は料金に反映されます。
しかし、「グラッガー」では素材にこだわった美味しいパンを
お客さんは安く買えて、働く側も労働時間が半分になっている
のです。

これは田村さん夫婦に大きな衝撃を与えました。

そして帰国後、大改革が始まるのです。

ブーランジェリー・ドリアン6つの選択と集中

帰国した田村さんは早速、店の運営を見直しします。

どのように見直ししたかというと

  • 12種類のパンの種類を4種類へ
  • 材料の輸入小麦を国産の有機小麦
  • 営業日を週6日から週3日の午後だけに変更
  • パンを焼くのは朝4時から11時までの7時間
  • 販売は代金箱を置くだけの無人販売
  • 店でパンが残れば地元の野菜移動販売やハム店に託す
    「リレー販売」

捨てないパンの誕生

上にあげたような選択と集中をしていく中で、材料を国産の有機小麦に変更しています。
実際に田村さんは北海道の十勝へ直接赴き、生産者の方と直接話をしています。

そして、こう話しています。

「もうパンを捨てられない、と思いました。畑を見て、作り手に話を聞いて、初めて想像力が働いた」

これが、捨てないパンが生まれた瞬間と言えるでしょう。

他にも国産の小麦は従来の輸入小麦に比べて4倍も値が張るのですが
チーズなどの具材をなくして原価を抑え
シンプルで飽きのこない美味しいパンに仕上げています。

お店のHPはこちら
↓↓↓↓↓↓
http://derien.jp/

捨てないパンの売上は

営業時間を大幅に短縮して、
一般に売り上げが上がるといわれている食品ロスを実践している
ドリアンの売上はどうなったのでしょうか?

実は売り上げは選択と集中を実施する前とほとんど変わらない
年商,2,500万をずっとキープ、利益は大幅増と
大きな成果を上げ続けています

売上、利益も素晴らしいのですが、何よりも自由に使える時間が増えたことで
生活に余裕が生まれ夫婦喧嘩も大幅に減ったそうです。

重ねて素晴らしい!

食品ロスへの提言

田村さんは2018年11月に清流出版社より『捨てないパン屋』を出版しています。
その中で食品ロスに関しての興味深い提言がありますので、ご紹介します。

僕は何億円パンを売ろうとも、ドカドカとパンを捨てるのであれば、なんの価値もないと思います。

今まではしょうがなかったかもしれないけれど、これからは本当に許されない。

時代は変わりました。バブルのようなイケイケどんどんの時代ではありません。
社会も文化も成熟して大人にならないといけません。

(中略)

食べ物は、みんな死にたくなかったのに、死んで、恵みを与えてくれているのですから。

出典:『捨てないパン屋』ブーランジェリー・ドリアン店主 田村陽至著(清流出版)

少しの努力で食品ロスは防げるので、意識して減らす努力をする必要がありますね。

『捨てないパン屋』

まとめ

捨てないパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の田村陽至さんの
選択と集中についてお話させて参りました。

寝る間も惜しんで働いて疲弊していた田村さんは
ヨーロッパへ修行することで

  • 12種類のパンの種類を4種類へ
  • 材料の輸入小麦を国産の有機小麦
  • 営業日を週6日から週3日の午後だけに変更
  • パンを焼くのは朝4時から11時までの7時間
  • 販売は代金箱を置くだけの無人販売
  • 店でパンが残れば地元の野菜移動販売やハム店に託す
    「リレー販売」

以上の選択と集中を実施しました。

これによりお店は利益が大幅にアップし、食品ロスもなくし、
また、生活に余裕が生まれるという素晴らしい成果をあげました。

”こだわる事を絞ってムダな事はやらない”
この事は小規模企業にとって最も大切なのではないでしょうか。

是非、自分だけのこだわりを絞って、ビジネスもプライベートも
充実させていきましょう!

この文章を読んでいただいてありがとうございました。

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